お知らせ

文化と地域デザイン学会第1回大会で発表を行いました

2024年5月18日(土)に開催されました文化と地域デザイン学会第1回大会で

IFMA代表の南と研究員の川嶋がニカラグア共和国で行ってきた地域研究に関する研究発表を行いました。

 

開催日 :2024年5月18日(土)

開催地 :本のある工場(文化と地域デザイン研究所事務所 https://www.bunkachiiki.com/)

発表題目:「中米ニカラグア共和国におけるコミュニティ・ミュージアム活動の現状と課題-コミュニティ・ミュージアムを通して地域をキュレーションする-」

発表者 :川嶋まどか(NPO法人フィールドミュージアム文化研究所)、南博史(NPO法人フィールドミュージアム文化研究所、京都外国語大学)

発表の様子(写真中央:学会代表の松本茂章先生、写真左:川嶋)

 

本発表では、中米ニカラグア共和国の紹介から、私たちが2013年から開始した実践的地域研究「プロジェクト・マティグアス」の活動を中心に、考古学調査による成果と博物館学に基づくコミュニティ・ミュージアムづくりに向けた活動の様子を報告しました。質疑応答では、企業の方、公務員の方、学芸員の方など実に様々な分野の参加者の皆さまから質問やコメント、また今後の調査に活かせそうな事例などを紹介いただき、有意義な時間を過ごさせていただきました。コロナ禍により現地調査が中断されてきましたが、昨年から現地調査を再開し、新たに見えてきた課題に向けて、ひきつづき調査研究を続けてまいります。

 

特に印象深かったことは、キーノートスピーチを務めてくださいました、文化と地域デザイン学会共同代表者でもある新川達郎先生(同志社大学名誉教授)のご発表「文化と地域デザイン学の構想」でした。学会名にもなっている「文化と地域デザイン学」とは、「文化×地域×デザイン」に関する研究を複数の学問分野から多角的に捉える学際的研究(インターディシプリナリティ)の枠を超えて、研究活動を行う研究者と実践の現場である地域や社会を巻き込んだ超学際的研究(トランスディシプリナリティ)として、「理論と実践」を繰り返し、積み重ねることで、様々な社会問題や地域課題に対応しうる視点を提供することを目指す学問であること。そのためには、学問を専門とする研究者だけではなく、実践実務家、行政職員、会社員、企業家、地域住民などの現場実践者と協働し、現在抱える課題に取り組む「実践」を積むこと、そしてそれを「共有」することが重要である、というお話でした。

新川達郎先生のキーノートスピーチの様子

 

文化と地域デザイン学会には研究者に限らず幅広い分野の人々が集まり、実践の共有の場となっています。

会場となっている「本のある工場」は元は印刷工場だった建物を改装して利用されているのですが、大学で開催されるかしこまった学会とは印象も大きく異なり、小ぢんまりとした分参加者との距離が近く、アットホームな雰囲気の中、フランクに、活発に、様々な意見交換が行われました。これは文化と地域デザイン学会の大きな魅力のひとつだと感じています。

本のある工場(大阪市此花区西九条)

 

最後になりますが、学会代表者である松本茂章先生、新川達郎先生ならびに事務局の皆さまには心より御礼を申し上げます。

 

川嶋